タイ取材新シーズン!タイ東北部コーンケーン県&カラシン県の旅①
2019/03/03
今週はタイ東北カラシン県へ!
今月からは、いよいよタイ取材も新シーズン!
昨年2018年にタイを訪れた日本人旅行者は、165万人と過去最高を記録。番組では今年2019年も、タイのメインデスティネーションはじめ、タイ各地の魅力をご紹介して参ります。
今回は、独特の伝統文化や歴史に彩られたタイ東北部(イサーン)の中から、東北ご旅行の際の拠点となるコーンケーン県と、コーンケーンから足を延ばすに適した隣県のカラシンにご案内しましょう。
空路・鉄路・陸路の整った東北のハブ / コーンケーン県を中心に周辺県を組み合わせることで、〝こんなタイ知らなかった〟な、タイの魅力に触れることができます。
新シーズンは カラシン県で〝シルク織物〟に触れる旅から。
カラシン県は、首都バンコクから北東に519キロ。コーンケーン県と、ウドーンターニー県の東側に位置し、県名 / カラシンの〝カラ〟は「黒い」〝シン〟は「水流」と言う意味で、肥沃な大地を表しているという説と、その昔、カラシンの統治者がラマ1世に合金製の黒い茶瓶を献上した際、その茶瓶が「ムアン・カラシン」と名付けられた事にちなんで...と、2つの説がああります。
タイ国内有数の米どころ、またキャッサバやサトウキビの栽培も盛んで、タイ東北地方の中でも豊かな県のひとつ。カラシン県の歴史は古く、今からおよそ1600年前、ラワー族と呼ばれる人々が定住し、文明が起こったと言われています。また、およそ1億数千万年前の白亜紀には多くの恐竜が生息。近年、保存状態の良い化石も数多く出土し、「カラシンと言えば恐竜」というイメージも定着しつつあります。
バーン・ポン・プレワー・シルク・ヴィレッジ
見所も多いカラシン県ですが、まずはカラシン県北部にあるプータイ族の村「バンポーン村」へ。現在もこの村では、プータイ族の伝統文化や風俗習慣を守り、穏やかな時の流れと共に暮らしています。
村の中心となっているのが、ここ「バーン・ポン・プレワー・シルク・ヴィレッジ」
プータイ族の伝統の一つが、先祖代々受け継がれている「プレーワー」と呼ばれる絹織物です。
黒地の上着、そして左肩には「サバイ」と呼ばれる肩掛けが、プータイ族の女性の正装。この「サバイ」という肩掛けは、赤が基調の精密で美しい幾何学模様を織り込んだシルクの帯で、これが本来は「プレーワー」と呼ばれていたものなんだそう。
複雑なこの幾何学文様を織る技は、今も母から娘へと受け継がれ、集落の小学校では家庭科の授業の一環にも。バンポーン村 プータイ族の女性全員が織り手でいらっしゃいます。
主に小指を使って作られる複雑な幾何学文様も、プータイ族の各家庭によって微妙に異なり、いわば家紋の様なものとのご説明でした。
「プレーワー」といえば、冬虫夏草を煮出して作る〝赤〟が特徴。黄色は草木染め、紺色は藍染と、天然色素を使用していますが、現在は「プレーワー」のバリエーションを増やす目的で、体や環境にも配慮した人工染料も使用。
蚕を育て、糸を紡ぎ、糸を染め、機を織る全ての工程を見学できます。
「プレーワー」の〝ワー〟とは、両手を広げた長さ(およそ2メートル)を意味するそうで、基本となる幅はおよそ20センチほど。男性の和装、角帯をイメージしていただくと分かりやすいでしょうか...
「プレーワー」も時代と共に変化し、現在はその幅も30センチ、40センチと広がり、ショールや巻きスカートなども織られる様に。
タイの一村一品運動 OTOP商品の一つとして五つ星を獲得しています。
「プレーワー」が世界的にも知られるきっかけとなったエピソードをご紹介しましょう。
プミポン前国王の王妃 / シリキット王太后が、1977年にここバンポーン村を始めてご訪問された際、村の人々は王妃の足元を汚してはいけないと、美しく織られたサバイ(プレーワー)を、絨毯代わりに敷いてお迎えしたんだそうです。しかし、これを目にした王妃はそのサバイ(プレーワー)の美しさに魅了され、織物をストールや巻きスカートなどにもできるよう、幅など様々なアドバイスをなさったそうです。その後、シリキット王太后は自ら熱心にこの「プレーワー」の保護・奨励活動を進められ、「プレーワー」は数あるタイシルクの中でも、最も高級な織物のひとつとして、高く評価されるに至りました。
カラシン県のプータイ族の村、バンポーン村の「バーンポン・プレワー・シルク・ヴィレッジ」は、カラシン県の中心地から、国道227号線を北におよそ70キロ。お車を手配する必要はありますが、一見の価値あるところです。
☆タイ国政府観光庁カラシン紹介ページ☆