タイ取材新シーズン!タイ東北部コーンケーン県&カラシン県の旅③
2019/03/24
コーンケーン県のワット・チャイシー(Wat Chaisri)
今週はタイ東北部・コーンケーン県にあります、「ワット・チャイシー」というお寺をご案内。ここワット・チャイシーは、1800年代、日本では明治時代に開かれた寺院で、規模の小さな寺院ではあるものの、これまでのタイ取材、寺院もおそらく7、80ヶ所は 拝見していますが、私もはじめて目にする〝色づかい〟の本堂壁画がありました。
☆プレー県ワット・プーミンの壁画はこちら☆
通常、タイの寺院壁画はバンコクのワット・プラケオ(エメラルド寺院)はじめ、昨年の取材先、プレー県のワット・
プーミンなど、色あざやかな多色づかい。でも!この寺の本堂外壁、ぐるっと一周に渡って描かれている壁画は、タイでも大変珍しい、藍色をメインに描かれています。
定かではありませんが...藍染も東北の伝統ですので、壁画を描いた当時、村でも調達しやすかった色が「藍」だったのかもしれませんね。
昔のタイも、全ての人が文字を読めていたわけではありませんでしたので、人々が集う寺院の「壁画」を通して、仏教の尊い教えがどのような歴史を辿ってきたかを伝えてきたとのこと。
ワット・チャイシーの壁画は、「ベッサンタラ王子物語」または「サンシンチャイ物語」という、これは何度も何度も輪廻転生を繰り返し、ブッダがブッダとして生まれ変わる前の歴史を描いた古典文学で、タイの東北部とラオスのみで残っている文学作品のハイライトシーンが描かれています。
本堂のそばにあった説明看板によると、壁画のちょっとユーモラスなスタイルは、ベトナム人の職人の手によるものだそう
魚の絵などはスコータイ地方の焼き物「サワンカローク焼き」、日本では「スンコロク」として茶の湯の世界でも珍重された焼き物ですが、そのサワンカローク焼きの魚のモチーフにも、似ているなと感じました。
☆スコータイ・サンカローク焼き工房取材はこちら☆
本堂の周りには、結界石(バオセーマ / セーマ石)が8個設置されており、本堂を建てる際、敷地内に聖なるものを埋めたその上に、こちらの本堂も建てられています。現在もこの本堂内部は、女人禁制!女性は立ち入ることができません。
タイ国内の寺院を見学される際には、その建築スタイルや仏像のお顔や手、そして手の位置、仏塔にも注目してみてくださいね。ラオスやカンボジア、スリランカの建築様式や、仏教がタイへと伝来したその歴史を知ることができます。
本堂は1900年に建立されたもので、壁画もその建立時に
描かれたとされています。本堂建立当時、本堂の屋根は木造の東北様式だったそうですが、のちに現王朝のスタイル、瓦屋根と葺き替えられ、歴史的建造物にも指定、タイ王室の第3級寺院ともなっています。
アクセスに関しては、こちらも少々、個人旅行では難しいかもしれません。コーンケーン市内でお車の手配が必要となりますが、市内中心部から北西におよそ20キロ、有名な寺院ですので、お車手配の際にも、「ワット・チャイシー」で通じるかと思います。